友人の結婚式に出席してから、うまく説明できないさみしさを感じている。 式はとてもよいものだった。 祝辞の挨拶で、友人はその人柄と優秀さをお世辞抜きに褒められ、 同僚や後輩からも慕われていることが場の空気から感じられた。 パートナーは溢れんばか…
また失敗をした。 その過程で自分が周りにかけた迷惑を思うと、本当に自分が嫌で嫌でしょうがない。 自分のせいだと思いながら、誰かのせいだとも思いたい、そういう中途半端な気持ちがなおさら嫌だ。 ここには失敗の記録ばかりが降り積もってゆくけれど、私…
先日、仕事で大きな失敗をしてしまい、情けなさや悔しい気持ちを覚えておきたいから書く。 失敗の原因は自分の力量の勘違いと準備不足だ。 その仕事で求められるアウトプットに対して、自分の知識や能力は圧倒的に足りていなかった。結果、相手が必要として…
考えたことを言葉にする練習をしなければいけないな、と思ったのでこの場所をもう一度公開する。 これまで書いた文章も、そういう理由で書いてきたはずだ。でも、読み返してみると感情を吐き出すようなことばが並んでいて、考えは整理されておらず、痛々しい…
頭がヒリヒリする。 3人以上の集団に数時間以上いると、そういう状態になる。 自分の発した言葉を鮮明に覚えている。その場の空気も。 反芻しては、場の空気を悪くしちゃったとか、恥ずかしかったとか、そういうことを考える。代わりに発するべきだった最適…
器の強度を上げないと、拾い集めたいことばがこぼれてしまう。 器に入りきらないことばは毒になる。 毒は最初から毒なのではない。 降ってくる瞬間は他のことばたちと同じように輝いて私を勇気づけてくれるのに、それは器からこぼれ落ちた途端に強い毒になる…
亡霊が消えてゆく。 ゆるされたいと思うことをやめたときから亡霊の影は薄い。 ゆるされるかどうかは問題ではない。 それは私の意思でどうにかできることではない。 私と私の近くにいる人々の生死に直結しないならば、恨まれ、憎まれ、生きればよい。ゆるさ…
わたしはあなたと対面することで、わたしが女であることを見つめなければならなかった。
できるかできないか ではなく やるかやらないか あるいは できるようにするのかしないのか を問われている。できると思わなければできない。 それはたぶんただしい。けれど できると思えばできる。 できないと思えばできない。 みたいな、そんな気の持ちよう…
仕事から帰ってきたとき、なんだかよくわからない疲れがあったので、 鶏胸肉を解凍して、ハサミで切って袋に入れて、1年前に買ったまま封を開けていなかったすき焼きのタレと酒と、使いきれずに冷蔵庫で眠っていたグリーンカレーのスパイスを山盛り一杯加え…
道端に落ちているわたぼこりが気になって仕方がない。 拾わないと前に進めないんじゃないかという気がする。 立ち止まって、つまみあげるべきか、無視して通り過ぎるべきか、迷っている。 つまみあげるなら、どうやってやろうか。誰か助けを呼ぼうか。手袋を…
わかりあえない。 そもそも、わかりあいたいと思っているのだろうか。 一方的に受容されたいだけ?私が大切だとおもうことを、最も身近な他人に同じように大切にしてもらえない。 そう思う私もまた、その人の在り様を、そのまま受け入れることができていない…
私は遠くの時間を見ることが下手だ。遠近感の補正がうまくいかなくてくらくらする。 今日のことしかわからない。来年のことを話そうとすると、主語が”わたし”ではなくなる感じがする。だから、数年先のことを明日のことのように、こともなげに話す人を見て感…
宇宙のどこかにいるかもしれない生命体に宛てた電気信号みたいに、誰に目撃されるわけでもない言葉を紡ぎ続ける。 本当は言葉を届けたい相手の名前を知っているのに、宛名にその名を記すことができない臆病者だ。 既読がついたかどうかなんて知りようがない…
誰かの幸せを願うことがほんとうに上手な人がいる。一方で、その人は カミサマというのは極端だけど、他者のことを「こうだったらいいな」という期待の色眼鏡で見て、ものすごく高い評価することがある。 そういう判断をするとき、その人は無意識のうちに他…
いいときもある。 わるいときもある。 それが大前提。どんなときも、ひとつずつ始めて、ひとつずつ終わらせる。かたまりは大きい。 そのままでは食べられない。 だから小さく切り分ける。小さなかたまりから、ひとつずつ片付ける。
女性として生まれたことに絶望したことはなかったが 男性として生まれなかったことを恨めしくおもったことはある。私は自分が女であることを、できれば忘れていたい。 膨らんできたお尻も胸も生理も、自分の身体だからどうにか受け入れる。 制服のスカートも…
この数ヵ月で、なにができるようになったのかというと、自分をほめて、機嫌をとるのがうまくなった。 今日のことを明日に引きずらないように切り替えるのがうまくなった。 眼の前のことに集中して取り組めるようになった。 責任の範囲について合意を得てから…
はやくしてくれないと 次の脱皮は 抜け殻と一緒にあなたを置き去りにして 私は別の場所に行くだろうそんな予感があるはやく、はやく、私を捕まえて私がまだ、ここにいるうちに
苦し紛れにじたばたしていると、じたばたしたなりに何かに触れることがある。 それはだいたい誰かの静かな心遣いとして私の前にあらわれて、私の前にあった道のかたちを変えてゆく。すれ違いざまに肩が触れた名前を知らない人々の、偶然の言動に強く影響を受…
日記の断片を見つける。 これを反芻することは、私が今立つ場所を確認する作業でもある。 道に迷ったときに地図を見直すように、私は過去の自分が書き残した物を何度でも見直して、自分の居場所を確認する。 そこにいる過去の自分の思考が痛々しくても、賛同…
淡々とカレンダーを塗りつぶしていくような日々を過ごしている。 それでも、その日々が何ものにも縛られることのない、自分の時間であることがうれしい。誰かや、誰かの総体から、切り離された存在として自分を認識できることがうれしい。この1年間で、私の…
あまり音楽とか写真とかに触れる機会は多くないけれど、たまらなく惹きつけられる作品に出会うことがたまにある。 萩尾望都の表現を借りるなら「ひきよせられる」という感覚がとてもしっくりくる。一番最初にこの感覚に気づいたのは、中学生のときに「世界の…
「来年またね」という言葉とともに二人は別れた。 今は三月だから、来年は早くても九ヵ月後だ。 私には長いと思えたその年月の長さと、二人の別れのあっさりさが不釣り合いに思えた。 来年のその時に必ず会える確信があるのか、別れをそれほど惜しむ間柄じゃ…
ヘーゲルの解説書を読みながら、頭がぞくぞくしている。 書かれていることをそのままむしゃむしゃと飲み込んでしまいたい。 文字を追うスピードを、こんなにもどかしく思うのもひさしぶりだ。言語やことばについての章を読んでぼんやり考えたことを思い出す…
誰かに肩がぶつかることを深刻には考えずに、次に飛び移りたい石の名前を口ずさみながら歩く。 肩が当たった人々の顔をよくみたら、別に怒ってるわけでもないようだった。 目が合えば、あっちに良さそうな石があったとか、こっちの靴の方が歩きやすいんじゃ…
誰にもぶつからないように、人々のすき間をそっとすり抜けるように生きてきた。 飛び石を渡るようなイメージだ。一つ場所を次の石への足掛かりと捉え、あまり長くとどまらないし、こだわらない。 私はいっちょまえに自分の脚力で石を渡り歩いたつもりで、そ…
自分は逃げてるんじゃないかという、ぼんやりとした不安あったけれど。それを続けたくないと確信する自分を見つけて それを続けることには意味がない、と思う自分がいるならば これ以上、どうしてそこにいる必要があるの。離れられない理由が、誰かに恨みご…
自分の不安が、誰かの言葉に憑依して自分に届くようなことがある。 その言葉には、物理的な発言者の感情もこもっていたとおもうけれど、私はそこからより強く自分の感情を感じ取る。 他者の期待に沿えなかったことへの自責の念や後悔、そういう感情が増幅さ…
自分の感じる不快さを言語化できることも成長の証だ。