けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

2018-01-01から1年間の記事一覧

頭がヒリヒリする。 3人以上の集団に数時間以上いると、そういう状態になる。 自分の発した言葉を鮮明に覚えている。その場の空気も。 反芻しては、場の空気を悪くしちゃったとか、恥ずかしかったとか、そういうことを考える。代わりに発するべきだった最適…

器の強度を上げないと、拾い集めたいことばがこぼれてしまう。 器に入りきらないことばは毒になる。 毒は最初から毒なのではない。 降ってくる瞬間は他のことばたちと同じように輝いて私を勇気づけてくれるのに、それは器からこぼれ落ちた途端に強い毒になる…

亡霊が消えてゆく。 ゆるされたいと思うことをやめたときから亡霊の影は薄い。 ゆるされるかどうかは問題ではない。 それは私の意思でどうにかできることではない。 私と私の近くにいる人々の生死に直結しないならば、恨まれ、憎まれ、生きればよい。ゆるさ…

わたしはあなたと対面することで、わたしが女であることを見つめなければならなかった。

できるかできないか ではなく やるかやらないか あるいは できるようにするのかしないのか を問われている。できると思わなければできない。 それはたぶんただしい。けれど できると思えばできる。 できないと思えばできない。 みたいな、そんな気の持ちよう…

すきやきのタレとグリーンカレー

仕事から帰ってきたとき、なんだかよくわからない疲れがあったので、 鶏胸肉を解凍して、ハサミで切って袋に入れて、1年前に買ったまま封を開けていなかったすき焼きのタレと酒と、使いきれずに冷蔵庫で眠っていたグリーンカレーのスパイスを山盛り一杯加え…

わたぼこりにつまづいてしまう

道端に落ちているわたぼこりが気になって仕方がない。 拾わないと前に進めないんじゃないかという気がする。 立ち止まって、つまみあげるべきか、無視して通り過ぎるべきか、迷っている。 つまみあげるなら、どうやってやろうか。誰か助けを呼ぼうか。手袋を…

鏡のむこう

わかりあえない。 そもそも、わかりあいたいと思っているのだろうか。 一方的に受容されたいだけ?私が大切だとおもうことを、最も身近な他人に同じように大切にしてもらえない。 そう思う私もまた、その人の在り様を、そのまま受け入れることができていない…

私は遠くの時間を見ることが下手だ。遠近感の補正がうまくいかなくてくらくらする。 今日のことしかわからない。来年のことを話そうとすると、主語が”わたし”ではなくなる感じがする。だから、数年先のことを明日のことのように、こともなげに話す人を見て感…

宇宙のどこかにいるかもしれない生命体に宛てた電気信号みたいに、誰に目撃されるわけでもない言葉を紡ぎ続ける。 本当は言葉を届けたい相手の名前を知っているのに、宛名にその名を記すことができない臆病者だ。 既読がついたかどうかなんて知りようがない…

他者を神格化すること

誰かの幸せを願うことがほんとうに上手な人がいる。一方で、その人は カミサマというのは極端だけど、他者のことを「こうだったらいいな」という期待の色眼鏡で見て、ものすごく高い評価することがある。 そういう判断をするとき、その人は無意識のうちに他…

いいときもある。 わるいときもある。 それが大前提。どんなときも、ひとつずつ始めて、ひとつずつ終わらせる。かたまりは大きい。 そのままでは食べられない。 だから小さく切り分ける。小さなかたまりから、ひとつずつ片付ける。

その他

女性として生まれたことに絶望したことはなかったが 男性として生まれなかったことを恨めしくおもったことはある。私は自分が女であることを、できれば忘れていたい。 膨らんできたお尻も胸も生理も、自分の身体だからどうにか受け入れる。 制服のスカートも…

できるようになったこと

この数ヵ月で、なにができるようになったのかというと、自分をほめて、機嫌をとるのがうまくなった。 今日のことを明日に引きずらないように切り替えるのがうまくなった。 眼の前のことに集中して取り組めるようになった。 責任の範囲について合意を得てから…

はやくしてくれないと 次の脱皮は 抜け殻と一緒にあなたを置き去りにして 私は別の場所に行くだろうそんな予感があるはやく、はやく、私を捕まえて私がまだ、ここにいるうちに

三歩進んで二歩下がって三歩進む私の現在地と速度

苦し紛れにじたばたしていると、じたばたしたなりに何かに触れることがある。 それはだいたい誰かの静かな心遣いとして私の前にあらわれて、私の前にあった道のかたちを変えてゆく。すれ違いざまに肩が触れた名前を知らない人々の、偶然の言動に強く影響を受…

日記の断片を見つける。 これを反芻することは、私が今立つ場所を確認する作業でもある。 道に迷ったときに地図を見直すように、私は過去の自分が書き残した物を何度でも見直して、自分の居場所を確認する。 そこにいる過去の自分の思考が痛々しくても、賛同…

淡々とカレンダーを塗りつぶしていくような日々を過ごしている。 それでも、その日々が何ものにも縛られることのない、自分の時間であることがうれしい。誰かや、誰かの総体から、切り離された存在として自分を認識できることがうれしい。この1年間で、私の…