けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

けものみち

わたぼこりにつまづいてしまう

道端に落ちているわたぼこりが気になって仕方がない。 拾わないと前に進めないんじゃないかという気がする。 立ち止まって、つまみあげるべきか、無視して通り過ぎるべきか、迷っている。 つまみあげるなら、どうやってやろうか。誰か助けを呼ぼうか。手袋を…

日記の断片を見つける。 これを反芻することは、私が今立つ場所を確認する作業でもある。 道に迷ったときに地図を見直すように、私は過去の自分が書き残した物を何度でも見直して、自分の居場所を確認する。 そこにいる過去の自分の思考が痛々しくても、賛同…

飛び石をわたるように

誰にもぶつからないように、人々のすき間をそっとすり抜けるように生きてきた。 飛び石を渡るようなイメージだ。一つ場所を次の石への足掛かりと捉え、あまり長くとどまらないし、こだわらない。 私はいっちょまえに自分の脚力で石を渡り歩いたつもりで、そ…

自分は逃げてるんじゃないかという、ぼんやりとした不安あったけれど。それを続けたくないと確信する自分を見つけて それを続けることには意味がない、と思う自分がいるならば これ以上、どうしてそこにいる必要があるの。離れられない理由が、誰かに恨みご…

自分の不安が、誰かの言葉に憑依して自分に届くようなことがある。 その言葉には、物理的な発言者の感情もこもっていたとおもうけれど、私はそこからより強く自分の感情を感じ取る。 他者の期待に沿えなかったことへの自責の念や後悔、そういう感情が増幅さ…

自分の感じる不快さを言語化できることも成長の証だ。

M.K.

それは、100年前に異国の山岳地帯を探索した研究者が書いた文章だ。 彼は発見の地に至るまでの道のりをただ示すのではなく、見える景色や肌に感じる空気について淡々と克明に描写している。 落ち着き払ったような顔をして、そのじつ動悸が早まるのを必死で抑…

次の場所へ

静かにこの場を離れ、次の点へと移動する。遷移せよ。変化せよ。

もーりすに会いに行く

9月初旬、北海道札幌市を訪れた。 自由時間が結構あって、天気もいいし、もーりすっていうゆるキャラもかわいいから藻岩山に行こうということになった。 もいわ中腹駅から展望台へと続く散策道にて。 キク科植物のてっぺんで、がさごそしてた。 赤と黒のコン…

おみやげ

来週から4ヵ月ほどタイに行くことになった。 9月のはじめにビザをとってから、仕事の準備をしつつも現実味がなかった。 でも、滅多にこわさないお腹の調子が悪かったりして、がらにもなく緊張しているみたいだ。渡航前からずいぶんお世話になっている現地の…

逃げるための準備をはじめよう

「すべてはお前を思ってやっているのに!誰も助けてくれなかったと、一生言うなよ!」と吐き捨てて彼は部屋を出て行った。 その捨て台詞は、いままで彼が私のことをどれほど格下に見ていたかが如実に表れていて、後頭部をガツンと殴られるような気がした。私…

そろりと歩く

北海道石狩市の水田にて。田んぼのあぜ道に足を踏み入れたら、ソラマメみたいな色と大きさの何かがガサガサっと四方八方に飛びはねた。 足元をよく見たら、おや、きみはアマガエル? 踏んでしまわないように、一歩前を棒でガサガサしながら歩く。

湿原にて

佐賀県唐津市七山にて。朝露の美しい朝。 オカトラノオとハッチョウトンボ オカトラノオの花言葉は、「騎士道」なんだって。 3色の腹部がきれい。 おや、尾っぽの朱色が鮮やかな…君はイモリ?

アブラムシ

友人が「家にこの虫がいっぱい入ってくる。昨晩は咬まれた気がする」といって小さな黒い昆虫を持ってきた。 住んでいるアパートの外側の壁に大量にくっついていて、隙間から室内に入り込んだらしい。しかし、砂粒みたいなそれは、どう見てもアブラムシだった…

人類にとってたいして重要ではないこと

私は、お堅い名前の組織の庇護下で、たいへんにばからしいことをしている。 ”それ”は大事だ!”それ”は重要なことだ!と肯定する人々に出会うと「正気ですか?」と思う。 彼らはどんな未来を描いてそのように発言するのだろう。私にはその青写真がさっぱり見…

ホトトギスとカメムシ

熊本県南阿蘇で。紫色の斑点が目立つな花を見つけて、よくよく見たらカメムシがいた。 翅の模様がきれいなやつだった。 たぶんアカアシカスミカメ(Orthotylus lautus)。カメムシに興奮して植物をちゃんと撮ってこなかったのだけれど、どうやらホトトギスの…