2017-10-24 M.K. けものみち それは、100年前に異国の山岳地帯を探索した研究者が書いた文章だ。 彼は発見の地に至るまでの道のりをただ示すのではなく、見える景色や肌に感じる空気について淡々と克明に描写している。 落ち着き払ったような顔をして、そのじつ動悸が早まるのを必死で抑えているみたいな文章を、私はとても美しいと思う。 物語をうたうように読み上げたくなる。その文献はずっと手元にあったのに、今まで何度も目にしてきたのに、なぜだか今、とても気になる。