けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

物語は自動的に生成されるのだ。だから、あなたには その物語をひとりで背負い込む理由なんてない。

もういいな、と思う。 もう、終わりにしてもいいんじゃないか。

自分の存在を否定するために、 自分について描かれた本のいっさいを捨てようとした。きちんと区切りをつけずに、 栞もはさまないで、私は本を閉じてしまった。 物語の中にあなたを置き去りにしたまま。

あなたから盗み取ったあなたの一部を 私は死ぬまでに 返すことができるだろうか

手紙をかくこと

私はなんとなく、紙とペンを使って手紙を書くことが好きだ。 いまこの空間を共有していない誰かに、いまここにいる私が書くことばが伝わる。 そのことが、不思議でおもしろいとおもう。ここにいない相手に、時空をまたいで伝えたいことがあって、 宛名に書い…

それを呪いにするか、祈りにするかは、ことばの選び方ひとつだ。 それを私の中に留めている限りは。 「こたえあわせ」をするまでは。

その眼を差し出し扉を開け 以後の世界に遷移せよ変化が怖いか 過去を見つめるその眼球を失うことを躊躇うか 以後の存在になることを拒むのかいかなる過去も消えはしない 過去を見る眼を差し出して 何度、その境界を越えたとしても 語られたものは、その形を…

それはきっと、私が思っているほど頑丈でも真っ直ぐでもない。

私を直接覗き込んでもことばは見えない。 あなたを通して私を見るときに、ことばが立ち現れる。

形を変えることのできる それゆえに ほんとうの形、のことをほのめかされると 形を保つことさえむずかしい そのような、存在 ××××語られなかったことだけで組み上げられた壁に周囲は覆われていて、語られなかったことを”無かったこと”にしてしまった私の目は…

何が起きたのか、ということを自分自身に対してさえも説明できないできごと について憎んだり恨んだりする感情はそのままに謝ったり謝られたりすることなくただ、 あの日、何が起こり、それぞれが何を思ったのかそれだけを話す場があったらいい。 あなたと「…

私はあなたと”おなじもの”になりたくて、 あなたの記憶と眼球と、そしてあらゆる神経回路が欲しかった。あなたの目が私を見るとき、私はあなたの目を通して私の内側を覗きこみ、そこに広がる奇妙に捻じれた光景を直視することができなかった。あなたが差し伸…

紙切れ一枚が、私と私を取り巻くものをdriveする

飲みこむ

生きやすくなったのは、言葉の選び方、表情の作り方、涙の流し方が上手くなったからだと思っていたけど、たぶんちがう。 それらを慎重に行うためにエネルギーを割かなくなったからだ。 誰彼かまわず毒を投げつけて、自分で毒を消化することを怠っているから…

壊れて、なくなる

自然物の模型を作った。 必要に迫られて大急ぎで作ったそれは、布やテープの質感が隠れもせず、いかにもチープで不格好だった。 けれど愛でてくれる人たちがいた。彼らが「これを使って、もっといろんなことをしてみよう」と言ったことをきっかけに、模型と…