けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

漂う舟の上で

ひょっとしたら、このちっぽけな存在は、次の波で転覆してしまうのかもしれない。 上手なバランスのとり方がわからなくて、いつもビクビクしている。 バランスを取ろうとすることが正しい対応なのかもわからない。 あっちへ踏ん張り、こっちへ傾け、そうして…

ゼロに収束する

できなかったり、やらなかったりすることを、私は選んでいる。できない自分や社会的に機能していない自分を眺めながら、ぼんやりと「それでいい」と決めていて、 私の活力はゼロに向かって収束しはじめている。 感動に胸が震えた日も、あそこへ行かなければ…

さくら

それは、日本の春に花を咲かせる木の名前です。 うす桃色の花がこぼれ落ちるように咲き、あたりの景色を明るくします。 そして、 全ての花が開いてひと呼吸も置かないうちに、その季節特有の強い風で散ってしまう。

記憶のフィルター

ある楽曲を、彼の遺物としてではなく、”楽曲そのもの”として聴きたいとおもう。 10年前に少年が教えてくれたその音楽は、いまも彼というフィルターを通してしか私に届かない。少年を心底尊敬するから、彼が「よい」と言ったものを「よい」と思い込もうとして…

須賀敦子のことば

須賀敦子の本を読んでいる。 私が近ごろ思ったり考えたりしていた、ほんとうに多くのことがらが、すでに彼女のことばで書かれていた。ここまで、ことばがするすると身体に溶け込むように入ってくる感覚は久しぶりだ。 昔話の中に登場する彼女自身の年齢や立…