けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

私はあなたと”おなじもの”になりたくて、
あなたの記憶と眼球と、そしてあらゆる神経回路が欲しかった。

あなたの目が私を見るとき、私はあなたの目を通して私の内側を覗きこみ、そこに広がる奇妙に捻じれた光景を直視することができなかった。

あなたが差し伸べてくれた白く真っ直ぐな手は、
内側の世界を通過したことで歪んでねじ曲がり、指が奇妙な角度で折れたり血を流していたりした。