けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

器の強度を上げないと、拾い集めたいことばがこぼれてしまう。
器に入りきらないことばは毒になる。
毒は最初から毒なのではない。
降ってくる瞬間は他のことばたちと同じように輝いて私を勇気づけてくれるのに、それは器からこぼれ落ちた途端に強い毒になる。

私の器はもろいから、すぐに壊れてしまう。
毎日のように粉々になった破片を集めてなんとか形を保っている。
昨日の器と同じような形をしているけれど、同じものではない。