けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

亡霊が消えてゆく。
ゆるされたいと思うことをやめたときから亡霊の影は薄い。
ゆるされるかどうかは問題ではない。
それは私の意思でどうにかできることではない。
私と私の近くにいる人々の生死に直結しないならば、恨まれ、憎まれ、生きればよい。

ゆるされたか、ゆるされないか
憎まれているか、恨まれているか
それは確かめなければわからない。
確かめるつもりはない。
このまま白黒はっきりつけないまま行こう。
いずれ白黒はっきりする日が来たら、
そのとき見えた色、それを受け止めよう。

全ては流れる。
同じカタチをした感情はなく、今この瞬間も変わり続ける。
おぼろげに見えている一秒先に向かって足を踏み出す。

そのとき、あなたが、そして私が何色をしているかなんて
誰も知らない。