けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

宇宙のどこかにいるかもしれない生命体に宛てた電気信号みたいに、誰に目撃されるわけでもない言葉を紡ぎ続ける。
本当は言葉を届けたい相手の名前を知っているのに、宛名にその名を記すことができない臆病者だ。
既読がついたかどうかなんて知りようがないけれど、それでもことばを発することをやめられない。