けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

すきやきのタレとグリーンカレー

仕事から帰ってきたとき、なんだかよくわからない疲れがあったので、
鶏胸肉を解凍して、ハサミで切って袋に入れて、1年前に買ったまま封を開けていなかったすき焼きのタレと酒と、使いきれずに冷蔵庫で眠っていたグリーンカレーのスパイスを山盛り一杯加えて揉んで、冷蔵庫に入れた。
昨日ツイッターで見かけた、つかれた人のための唐揚げレシピだ。
食べるものを無心に作っているとき、私はすくわれたような気持ちになる。

しばらくぼんやりしていたら、なんだかよくわからない疲れが「お腹減った」という感覚で認識されたので、いつも使うより多めの油を鍋で熱しながら鶏胸肉にばさばさと片栗粉をまぶして、こんがりいい色になるまで揚げた。
揚げたてをかじったら、甘じょっぱくてスパイスの複雑な香りがして、なんだか面白くなって笑った。

唐揚げは想像以上に私を幸せな気持ちにさせた。
鶏胸肉のがっしりとした質感も、すき焼きのタレとグリーンカレースパイスの複雑な味も、私が揚げ物に対して抱いている「特別なもの」という感情も、みんな私を元気にさせる。

つかれたら、おいしいものを食べる。
自分の機嫌をとるのが、ちょっとだけうまくなった。