けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

へんなこと

このところ、自分のことで「へんなの」と思うのは、
なにもしていないのに、失敗するんじゃないか、という恐怖に怯えているところだ。
ただただ何かに失敗する不安に包まれて、ここにはいない誰かに自分の無能さを謝りたい衝動にかられている。

謝る前にやれよ、謝る前に失敗しろよ、
失敗、という過程を経てから無能さを味わえ、と言いたい。自分に。

そうでなければ、失敗を見つめる行為そのものが無意味だ。
なぜなら、失敗もしていない者にとって、
その不安さえもが貧弱な想像力で形づくられたものにすぎない。
そんなの、嘘っぱちの”無能感”だ。
嘘っぱちの無能感で酔えるなんてだせぇな。

いつかどこかで砕かれ、粉々になってしまった自信を、
ひとつひとつ、拾い集めていく必要がある。