けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

ソフィーの世界

前回、江戸川乱歩人間椅子』のラジオドラマ版をみつけて、単純作業のBGMとしてずいぶん優秀で気に入った。タイトルはよく耳にする作品だから内容は知りたい、しかし本を読むのは少し面倒だ…という怠け者には、音声で楽しめるというのがよい。
他の作品を探してみたところ、『ソフィーの世界』(ヨースタイン・ゴルデル)を見つけたのだった。

ソフィーの世界』は中学校の国語の先生がオススメしていて、当時、一部の女子の間で流行っていた気がするが、私自身は結局手に取ることがなかった。
哲学を体系的に学んだ経験がないので(14歳のソフィーが学んでいるのにねぇ…)、この本の「哲学の教科書」としての良し悪しは判断できかねるのだけど、
古代ギリシアソクラテスからサルトルに至るまで、断片的にしか知らなかった哲学者の名前と彼らの理論を、ひとつの大きな流れとして把握することができて、少しすっきりした。
あとで気になる人(理論)に関する別の書籍をあたってみる。”でてこなかった人”ハイデガーも。
ちなみに、じっくり聞き入ってしまったのでBGMとしてはよくなかった。

いま、『大学とは何か』(吉見俊哉)という本を読んでいて、大学の歴史を中世ヨーロッパから辿っているところだ。
そこで、大学という組織の在り方に各時代の宗教、政治、そして哲学思想が深く関わっていることが解説されているのだが、『ソフィーの世界』で哲学思想の変遷を浅く広く俯瞰したことで、すっきり読めている気がする。