けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

まっとうそうな皮をまとって、内側のドロドロしたものが放つ腐臭を隠しながら、どうにかこうにか生きている。
自分を肯定することができないまま”大人”と呼ばれる年齢になって、いまだに他者を遠ざけるように生きている。



褒められたり、好かれることが怖い。
いつかガッカリされてしまうことが、とても怖い。
いつか大失敗をして上がった評価が下がるなら、最初から最底辺を這いつくばっていたかった。

あの頃、言葉にできなかった恐怖の正体は、私の幻想だった。