けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

スーザン・ソンタグ

スーザン・ソンタグの『この時代に想うテロへの眼差し』を図書館で借りてきた。
この時代に想うテロへの眼差し

本来の目当てはサミュエル・べケットの『ゴドーを待ちながら』だったのだが、
図書館のモニタで検索していたら、ゴドー関連でたまたま彼女の本がヒットした。彼女がサラエボでゴドーの演出を行ったときの話が本書に収録されているためだった。

スーザン・ソンタグの名前はどこかで読んだ『良心の領界』の序文の筆者として知っていて、
その強い人物像から、もっと小難しい言葉を使って世の中を見ている人なんじゃないかと、勝手に思っていた。

だから、するすると読めて正直驚いている。
翻訳書を読んでいるから、翻訳者の技量によるところが大きいはずだけれど、それにしたって、(勝手な)想像よりもずっと身近な言葉で世界を表現する人だった。
そして、もういちど『良心の領界』の序文を読んだら、こちらもとても明快な文章だった。
どうしてとっつきにくい印象を持っていたのか、今となってはよくわからない。

まあとにかく、自分の中のへんな壁がなくなって嬉しい。