けものがゆく道のむこう

いいにおいがする方へ かすかな気配をたどる道

無難な方の道

「行きたい方へ行けばいい。でもきっと、あなたは、最終的には無難な方の道を選ぶ。」
彼は電話の向こうで私の未来を予言する。私はへえ、と人ごとのように相槌をうって、そして尋ねる。どうしてそう思うの。
彼は答える。あなたは何かを選ぶとき、人の意見と自分の声を聴きながら、誰もあなたに文句を言わないような、それでいて自分も苦しくならない方を選んできた。あなたにとってそれが好ましいかどうかではなくて。だからきっと、今回もそうやって選ぶよ。